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つぶやかないお店に明日は無い 

「つぶやかないお店に明日は無い」、なんてちょっと強いタイトルですが、もう少し緩やかな表現をすれば、つぶやかないお店はをお客を増やせませんよ、ってことです。
(ちなみに、私がつぶやき、って言っているのは現在はツイッターを指しています。)

私はお店のPOSシステムに携わって25年になりますが、ツイッターに出会ってこれほどお店のPRに役立つ機能のシステムは見たことがありません。ツイッターをやり始めてから段々理解するにつれて、これはとんでもないツールだなと感じました。それからは会社社内はもちろん、出会う人々にツイッターやりなさい、ぜったいやりなさいと薦めまくっています。

お店には二種類のお客があります。「既存顧客」と「そうでないお客」です。既存顧客は当然そのお店のことを知っていますし、そうでないお客のほとんどはそのお店を知りませんし、知っていたとしてもそのお店に行ったことがない、または入ったこと、買ったことがありません。よくマーケッティングの世界でCRMという言葉が使われます。Customer Relationship Management カスタマー・リレーションシップ・マネージメント、言うなれば顧客情報管理です。。これは既存顧客の管理であって、会員になっていないまだ見ることの無お客は管理し切れません。

私はこのCRMという考え方には否定的です。CRMにはそのお店に来る特定顧客しか管理できない弱点があります。少人数の顧客(会員)でいかにして売り上げを上げていこう、という考え方がCRMの考え方です。たとえば美容院で月に一度しか来ない顧客を、月に二度三度来させようかという考え方がそこには含まれています。経済が右肩上がりでない、可処分所得が益々減っていくご時勢の、ある特定の顧客だけでお店が売り上げを上げていくことは難しい時代となっています。なのに、売り上げが上がらない=CRMが足らない、と叫ぶコンサルタントやマネージャーを多く見かけます。私からすれば、CRMが足らないのではなく、単にお客がお金を使いたがらないだけなのです。特定のお客から売り上げを上げようとするから無理が発生し、理屈道理に売り上げが上がるはずはありません。

そこで私が以前から主張しているのがCAM Consumer Atract Management です。CRMとCAMは、文字こそ一文字違いですが、最初のCは、CustomerではなくConsumer、顧客ではなく消費者です。そして真ん中の文字RではなくAは、Atractアトラクト、意味的には集客です。特定の顧客から売り上げを上げる模索をするのではなく、顧客より広い概念の消費者をいかにお店に呼び寄せるか、と考える世界がCAM、Consumer Atract Managementなのです。ちなみにこのCAMは私が考えましたので、どこにも説明がありません。Wikipediaで調べるとCAD・CAMの一部としか出ていません。http://bceo.blog22.fc2.com/blog-entry-213.html

CAMはCRMよりも非常に難しい手法です。顧客を集めることも大変な作業ですが、一度集めてしまえば何とかなります。そのためにCRMは顧客を集めることが流行りました。
しかしCAMは、そのお店を知らない人にどうにかして知らしめる手法なので大変です。たとえばTVのCMや雑誌の広告などもある意味ではCRMなのかもしれません。しかしながらそれでは多大な広告費がかかり、何のためにお店が売り上げを上げているのかわからなくなります。そこで注目されるのがツイッターのつぶやきです。

これだけインターネットやPC、携帯が普及した中、多くの消費者が携帯やPCに接しているため携帯やPCが大きな媒体になります。そして今のように急激なペースでツイッター人口が増えればすぐにTVや雑誌の広告よりも影響力の大きな媒体に成長します。しかも、タダです。この急激に拡大している有能な媒体にお店はつぶやくだけでタダでお店を知ってもらうことが出来るのです。

例えをもって説明しましょう。
テレビでは昔えびすビールの宣伝で、お店の前に「えびすあります」ってポスター貼る宣伝がありました。お客はそれを見て、「おっ、えびすがあるんだ」と反応します。CMではそのポスターを見てお店に入るってシーンでした。
 じゃあ現実はどうでしょうか?。実際にはそのポスターを見た人が全員お店に入ってくるわけではありません。店の前を通り過ぎる何十人に一人、または何百人に一人がお店に入ってくればいいのかもしれません。だとすればあまり効果がが無いじゃないか、と言い切れるでしょうか?何百人ものお客がお店を通り過ぎたとしても、まるっきり効果が無いとは言えません。
 「おっ、えびすがあるんだ」と思っても、でも、「今日はお金が無いからなー」とか「今日は時間が無いから今度時間があれば」とか「感じのいいお店だな、今度また近くに来たときに」とか、人それぞれ、お金や時間やその他の要因によってその日にそのお店によることが出来ないことがあります。
 しかしながら、そのポスターを見た人は何らかの感想を持って次の機会にお店に寄る可能性があります。
 
 私はつぶやかないお店は、このえびすのポスターを貼らないお店だ、と言い切っています。貼らないお店は、その存在すらもアピールすることも出来ず、そのお店に対する感想すら持たせることも出来ません。つぶやかないお店も同様です。つぶやかないお店はお客様の目に触れることも無く、単に知られないまま埋もれていきます。
 
 つぶやきには、えびすのポスターには無いもっと大きな効果があります。えびすのポスターはお店の近くを通った人だけしか見ることが出来ません。しかしつぶやきは、お店の前を通り過ぎなくても見せることが出来ます。つまりポスターはお店から半径10mくらいしか告知の効果が無いものの、つぶやきはそのお店から何キロ離れていようが見ることが出来ます。
 
 しかし、ツイッターにはまだまだ弱点があります。サーバーがいつダウンするかわかりませんし、これからどんどんユーザーが増えていくと単なるつぶやきが埋もれてしまって探せない状況も想像つきます。昔1996年当初、我が社もHP作るとまだまだ企業のHPが少なかったので、ほっといてもアクセスがあり安堵してると、あっという間に埋もれてしまいSEO対策が必要な時代になりました。いまのツイッターもそれに似ていて、今ならつぶやきがそこそこ探せますが、あと一年もすれば、お店のつぶやきを探すことが至難になってきます。しかしながら、今つぶやいておけば消費者にそのお店を認知させ、じゃあいつかはそのお店に行って見ようって思わすことが出来ます。
 
お店の常連さんだけで十分だ、新規顧客は要らないってお店にはお勧めしませんが、どうにかしてお客様を増やしたいと思っているお店は、今すぐつぶやいてお客様へ印象付けて欲しいなと思います。

また、今後ツイッターに対する色々なツールが出てくると思っています。ちなみに当社でも、つぶやいているお店をマップで探せるようなシステムを発表する予定です。そうすれば何千万人もの人々がつぶやいても、お店を探すことが便利になります。そしてつぶやいたお店はダイレクトにお客様に今日のメニューやサービス、おすすめ商品をPRすることが可能になります。

「いつかはあのお店でえびすビールを飲みたいな」って思わせたら勝ちなのですから。

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CRMではなくCAMを考える⑤ チラシリンク 

前回、店舗の集客ツール(店舗プロモーション)として紹介した
「ポイントリンク」「家計簿リンク」だが、
私自身はこの手法によってお客様をお店に導けるのは、
ポイントリンクが10%、家計簿リンクが10%ぐらいの比率だと考えている。

ポイントを集めている消費者は非常に多いが、都市部、地方部によってかなり格差がある。
鉄道が強い都市部では鉄道会社のスイカなどの電子マネーが氾濫してるし、
空港がある、なしでもマイレージを集めるか、集めないかも違う。
沖縄のようにやたらとエディーが普及している地域もある。
そのため、一概にポイントのオープン化ですべてが集客と行かない。

また家計簿は、つけている人、つけていない人の格差は大きい。
家計簿を付けている人にとってはPOS連動の自動家計簿作成は魅力だが、
家計簿を付けていない人にPOSと家計簿が連動しているといっても興味を示さない。
今後、家計簿ユーザーが増えていくにしろ、やはり限定的な集客方法である。

ただ、それにしてもまるっきり外部からの集客行動を起こさないよりも、
起こしたほうが少しずつでもお店の売り上げのアップにつながる。

お店の売り上げを上げるためだからといって、コストをかけていたのでは意味が無い。
コストを余りかけずに効果的な集客方法を作る必要があった。

「BCチラシリンク」は、ポイントリンクや家計簿リンクでは満足できない
集客をもっと強力に進める考え方で生まれた。

お店は多くのお店で新聞折込などのチラシを実行している。
新聞折込が無理だとしても、店頭ポスターやネット宣伝など、
いろいろな形でお店を宣伝し、集客活動を行っている。

新聞折込のチラシだと、1部に付き紙代、印刷代、配布を含め20~35円前後、
5000部ほど撒くとすぐに15万~25万くらいはすぐに費用がかかってしまう。
このような費用をかけてチラシを撒ける余裕のあるお店はまだいいが、
最近ではなかなかこのような費用までかけてチラシを撒ける余裕のお店が少ない。
しかし、宣伝を怠るとお客が遠のいたり、ライバル店に差をつけられたり、
なかなかうまくいかない。

また最近では新聞を取らない家庭が4割近くに達しており、
必要な家庭になかなか知らしめることが出来ないという構造的な問題もある。
新聞で撒くチラシがマスメディア化し、ターゲットとする客層になかなか届かない。

新聞が今後廃れていくと考えたとき、紙媒体のチラシを補う媒体が必要になる。
そう考えたときに、ますますネットが媒体として力を持つ。
とはいえ、ネットは万能ではない。
まだまだネットを利用しない人も多いし(特に老人など)
ネットもPCや携帯など、利用する手段に好みが出てきている。
それにあわせて、料金、課金体制を考えていく必要がある。

今の広告媒体には大きな欠陥がある。
広告の手法は大きく分けて、マスマーケティングかダイレクトマーケティングだ。
マスマーケティングであれば、莫大な費用がかかり効果が薄い。
ダイレクトマーケティングは、ピンポイントではあるがリストに無い客には不可能だ。
つまり、マスでもダイレクトでもないこの中間の広告媒体が少ない。
この中間広告媒体をネットで行える可能性が高い。

今の広告媒体マスメディアは、露出にあわせた従量制ではなく、
効果があっても無くても費用がかかることが大きな問題で、
ネットの時代になれば、効果にあわせて費用を払う時代になる。

お店は広告宣伝にかけた費用よりも、利益が上がれば使えるし、
かけた費用が高すぎて赤字であればやめる。
ネット広告であるならば、従量課金での広告のかけ方になっていく。

チラシリンクに似たようなサイトはすでにある。
ぐるなびややホットペッパー、タウンページ、携帯サイトなどである。
しかしながら、ぐるなびやホットペッパー、タウンページ、携帯サイトはあまりにも高すぎる。
従量課金ではないので、効果があろうがなかろうが費用は一緒だ。
ホットペッパー、タウンページなどは、費用の多くが紙代、印刷代等の物理的な経費で、
お店が負担するのはかなりきつい。

そんな感想を常に持っていたため、「BCチラシリンク」では、
当社システムBCPOSやTenpoVisorを使っていただいているお客様には月額を無料とした。
当社からすれば、広告宣伝費をもらうことが収益のビジネスモデルではない。
POSやASPサーバーを利用してもらうことがビジネスモデルだ。
だから、集客してお店が収益を上げ、店舗展開をしてもらいたいがためのサービスだ。
お店が利益を上げて、店舗を増やしていけるならば、当社としてもメリットがある。

ただ、POSシステムをすぐに入れ替えろというのは無理である。
なかには、POSまで必要なくレジでいいお店もあるであろう。
そのため当社システムを使ってないお店は、一店舗月額利用料¥1000と格安にした。
今使っているシステムが満了して、買い替えの時期に当社のBCPOS等を検討してもらえればいい。
そのときに、単なるPOSではなく、集客のできるプロモーション付きPOSと理解してもらえれば、
当社にとって、チラシリンクのような集客システムを無償で提供することには意義がある。

そして露出した効果が測定できるようにし、対費用効果が見えるようにした。
チラシといっても、折込チラシにこだわることは無い。
たとえば、店頭ポスターだってタイムセールスだって、
すべての情報はチラシとして配布が可能だ。
お客様に伝えたい内容を、ネットに書き込み公開する。

お客様はタイムリーな情報が常に閲覧できるし、
店舗ごと、商品ごとに情報を知ることが出来る。
家計簿として使っているお客様は、日々の買物情報、マイマップが登録されているため、
自分がいつも買っている商品の安売り情報があれば表示され、
自分の家から近い順にお店のチラシ情報が表示される。
お客様からすれば、自分にマッチした情報だけが表示されるため、
余計な情報に時間を使わず、必要な情報取りに専念できる。
また、自分が知らないお店の情報もアップされるため、
お店にとっては新規顧客の誘導ツールとして大きな効果が期待される。

少ない費用で効果がある広告をお店は望んでいる。
且つ、チラシはポイントや家計簿リンクに比べ、制約が少なく誰でも見れる。
露出が多い分だけ効果が見られるため、集客効果を50%とした。
チラシリンクで告知しお客様に常に新しい情報を届けて、
既存顧客以外の開拓を進めることが今の時期の最善方法だと考える。

このように、「ポイントリンク」「家計簿リンク」「チラシリンク」の三つの方法が、
現在私の頭の中で思いついたネットを使った集客方法だ。
今回、3つの方法をプレスに発表しすでに活動を始めている。

明日から開かれる展示会リテイルテック2009では、
「プロモーション付きPOS」としてこの3つの方法のプレビューを行う。
たくさんの人々に見ていただければ、そのよさは感じ取れると思っている。


CRMではなくCAMを考える④ 家計簿リンク 

BC家計簿リンク

私が家計簿のシステムをはじめようと思ったのは、
ある意味では偶然から始まった。

当初、JANKEN.JPと呼んでいたサイトの目的は、
JANバーコードを検索する=JAN検=JANKEN という意味だった。

POSシステムを販売しているとどうしても商品登録が必修になる。
ドラックストアや雑貨店、アパレルなど
いろいろなお店に導入するたびに登録をして出荷してた。

本来、バーコードというものは登録されているデータベースがあり、
それを元に登録すればいいだろうと思われるのだが、
スーパーやコンビニで扱うような食品や日用雑貨のデーターはあっても、
私どもが主力としている各種の専門店のデータベースなどどこにも無かった。

それで仕方が無く、一般消費者の方々に身近な商品のバーコードを登録してもらい、
一件登録する毎に1ポイント提供し始めた。
最初はそんな1ポイントぐらいで登録してくれるはずが無いという意見も多かったが、
少し経つと、クチコミで広がり、毎日何十件も登録してくれる消費者が出てきた。

そしてしばらく経つとgoogleが、GoogleMapという地図情報を無償で公開した。
これは私にとって斬新で、こんな地図情報を無料で公開してくれるんだと感心した。
その地図を使って、当時私どもがPOSシステムを導入のしている
6000店舗お店をマッピングしてみた。
都心部のような密集している地域では、かなりインパクトがあったが、
地方を見るとあまりにも閑散としてて、見るも無残だった。

それならば、お店も消費者に一件1ポイントで登録してもらおうと、
お店のデータ収集が始まっていった。

すでに商品情報が100万件以上あって、店舗の情報も10万件以上登録されたころ、
この商品情報と店舗情報を有効活用できないかと思い家計簿を作り上げた。
家計簿の登録も、また同じ手法で消費者の方々にポイントを与えていったのである。
その当時の感想を「金の卵を産むひよこ」としてブログに書き上げている。

それから約二年、
JANKEN.JP家計簿というサイトで商品、店舗、家計簿データを蓄積し、
やっと情報として見える形のあるものになってきた。
家計簿を利用するユーザーも1万人近くになり、
私どものPOSを利用するお店も6500店舗を超えた。

そこで考え付いたのが、お店のPOSシステムで売り上げを上げたら、
そのまま家計簿が出来上がるシステム「BC家計簿リンク」である。

本来、POSと家計簿のシステムは別物であるが、
お店のデーターを消費者につないであげることは、
お客様にとって便利であり、昔から欲しがられたサービスであった。

しかしそれが簡単に出来なかった理由は、
店舗側のシステムがPOS専用機であったり、フォーマットが異なってたり、
異なる家計簿システムにデーターを落とすことは厄介であった。

私どもがそれを可能にしたのは、オープンな環境だ。
PCというオープンなベース、パッケージという統一された環境、
インターネットというオープンなベース、ASP・SaaSという統一されたサーバー、
ネット家計簿という統一されたオープンな環境。

どれをとってもなかなか大手メーカでは出来ないため、
私どものような小回りの利くメーカーのほうが得意であった。
それとすでに導入された6500店舗の店、そして1万人の家計簿ユーザ、
これだけの環境がそろって初めてPOSと家計簿のリンクが実現した。

家計簿ユーザーとPOSを連動するお店のメリットは、
家計簿というコアなユーザーを、お店のコアなユーザーに出来るメリットである。
家計簿をつけるユーザーは、絶対数としては少ないが、近年徐々に増えている。
私どもが取ったアンケートでは、
家計簿をつけたいと思っている人で、つけない理由は二つある。
面倒くさいのと、家計簿をつけるメリットが薄いことである。

BC家計簿リンクは、家計簿を自動的につけてくれるのであるから面倒ではない。
そして、家計簿をつけるとポイントが付くのでメリットも出てくる。
こうして少しずつ環境を整備していくことによって、
家計簿をつけるユーザーは徐々に増えていくものと思われる。
そしてそのユーザーは、お店にとってはコアなユーザーになりえる。

つまり、家計簿をつけるコアな消費者をお店に導くのが、
家計簿リンクの大きな目的でもある。

前回述べた、ポイントリンクと家計簿リンク、
どちらも少しマニアックな客層の店舗誘導ではあるが、
きちっと抑えることにより、お店の集客の下支えになるものと思われる。

次回は、チラシリンクについて説明する。

CRMではなくCAMを考える③ ポイントリンク 

「ポイントリンク」

まず最初、2004年に私が集客の方法論として考えたのがポイントによる集客だった。
ただ、従来のようなポイントを付ける事によって集客しようというのではない。
お店でポイントをつけることは、再来店誘導手法としては間違ってはいないが、
それは周りの店々が同じようなポイントで人集めをしていないときである。
近くの店々すべてが同じようなポイント手法を始めた場合は、
ポイントは集客手法ではなくて単なる値引き器手法に変わる。
そのため、ポイントによって集客をしたり、再来店を促すというのは効果が薄れる。

なら、ポイント手法自体が無意味なものかといえばそうではない。
ポイントはお客を会員として登録させるのに必要な概念だ。
お客はポイントのようなシステムがないと会員登録する機会が作れない。
会員として登録されないと、いつも来てくれる常連は、名の知れる常連客に過ぎない。

そのことを考えると、お店がポイントという概念の上に会員収集をすること自体は正しい。
しかし、20年前のポイント黎明期の時代と現在は異なっている。
ポイント自体は新しくなく、どこのお店でのやってるありきたり手法だ。

まず考えなくてはいけないのは、お客様は何のためにポイントカードを持っているのかだ。
お客様はお店の顧客分析のためにわざわざ会員カードを持ち歩いてるのではなく、
そのカードを持ち歩くことによって何か利便を得ようとしているのだ。
これをお店サイドがポイントをお客に与えてやってると横柄に考えるとしっぺ返しにあう。

おくまで、お客様は会員カードを持つことによって、お店で少しでも損をしないように、
ポイントカードを示すことによってポイントを収集しているのだ。

以前、私はポイントカードは諸刃の剣だといった。
この考え方は今でも変わってはいない。
ポイントカードという物理的なカードを持たせなくてはいけない手法は、
カードを持っているときはポイントが貯まるが、持ってなく買物するときは損をした気がする。
そうすると物理的に持ち歩けるカードの枚数は制限があるので、
持っているカードのお店は買物をするが、持ち歩いていないカードのお店は素通りになる。
いかにカードを持ち歩いてもらうかといったような次元の低い争いになってしまう。

これはどこのお店のカードもありきたりで、内容に差が無いからだ。
差がない一つの要素が、クローズされたポイントである。
そのお店で貯めたポイントは、そのお店でしか使いえないのがクローズされたポイントである。
今、これほどポイントの考え方が普及した時代には、いたるところにポイントが使われている。
お店のポイントやネット、通販サイト、クレジットカード、飛行機会社、ホテル、携帯電話等々
これらがばらばらにポイントを発行されているため、お客は混乱している。

私はお客様の希望は、ポイントの集約化だと考える。
お店、ネット、通販、クレジット、飛行機会社、ホテル、携帯電話等々貯められたポイントが、
どこか希望するポイントに集約される。
そうすることによって、ポイントは集まりやすくなりお客様への利便性が増す。

しかし、従来の店舗は一部を除いて、お店のポイントはお店でしか使えないクローズポイントだ。
クローズポイント、お店にとってお店で発行したポイントがお店で使われるため損は無い。
ポイントをオープン化してしまうと、自分の店で発行されたポイントが他店で使われるため、損した気分になる。
確かに直近のことだけを考えたら、そう思うかもしれない。

しかし、もしお店のポイントをクローズにしているため、お客の利便性が損なわれ、
それにより客足が遠のいていると考えたらどうであろうか?
これは目に見えない顧客の流出のため気付くのになかなか時間がかかる。

私はお店にポイントはオープンにすべきだと主張する。
一度発行したポイントは、すでに値引きしたものとして諦め、その値引きを有効に利用したい。
ポイントをオープンにすることは、他店にお客が流れることでもあるが、
他店からお客が流れてくるものでもある。

他店とは、ネット、通販、クレジット、飛行機会社、ホテル、携帯電話からである。
異業種のポイントと結びつけ、異業種の持つ会員をお店に誘導できれば効果は大きい。

たとえば飛行機会社の持つマイレージ、
そのマイレージが自分のお店で買物をすれば貯まるとして宣伝すれば、
そのマイレージを貯めたいがためにお客は他店から自店へ流れてくる可能性がある。

BCポイントリンクは、ポイントをオープン化する概念である。
お店のポイントをオープン化し、お客様が望むポイントやマイレージに変換する。
そうすることによって、陸マイラーと呼ばれる何百万人もの会員をお店に誘導する。

それが、当社の考えるポイントからの顧客集客誘導である。

次は家計簿からの集客誘導を考えてみよう。

CRMではなくCAMを考える② 

CRMではなくCAMを考える②

前回お話したCAM (Consumer Attract Management)顧客集客マネージメント、
だが主張することは簡単だが実現するのはかなりの勇気がいる。
言いっぱなしであれば、打出の小槌を振れば財宝が出るといって売りつけて、
財宝が出なければ振り方が悪いんだと言い逃れるようなもんだ。
世の中の学者タイプ肌の人々には、こういう人が多く、
言うだけ言って「じゃあどうするんだ」といった回答が返ってこない。

そう言う意味で、CAMのような概念を主張する人は少ないような気がする。
私もこの概念に結びつくまで仕事を始めて23年かかった。
しかし根底では、お店に人を集めるためには何か方法論がないかと常に考えてた。
それがここに来て急に頭の中が整理され湧き出てきたのは、
リーマンショック以来、お店が従来通りの待ち構える方法では立ち行かなくなっており、
どうにかして売上を維持、伸ばせる方法論が無いかと本気で考え始めたからである。
なにもしないで、お客様が勝手に来る時代には考えられなかった。

学者肌の人は、集客を言いっぱなしにすることはできても、
私のようなシステム屋がこれを宣言するにはかなりの勇気がいる。
システム屋はそれを実現するのが仕事だからだ。
そう言う意味でCAM顧客集客マネージメントは、システム屋の鬼門だ。
景気がこのような状況でなければ、言わず触れずして置きたいとこだが、
私の会社はあえてこの課題に取り込み、お店を活性していきたいと思ってる。

では、具体的にCAM論法について触れていこう。

まず、前回顧客を二種類に別けた。
一度はそのお店に来たことのある「既存客」と、
一度もそのお店に来たことのない「未・来店客」である。
既存客に関しては、私が取り上げる必要も無いので、
従来型のCRM手法にゆだねたいと思う。
ただし、既存客だけではこれからのお店ではやっていけないのも述べた。

「未・来店客」だが、これは大きく別けて、
宣伝したり呼べば来店してくれる「見込み顧客」と、
宣伝しても呼んでも絶対に来ない「対象外顧客」と二つに分かれる。

「対象外顧客」には、
その店のあるエリアに住んでいない物理的に来ることの出来ないお客や、
女性用のお店に対する男性客、子供用のお店に対する子供がいない夫婦、など
カテゴリーによって属さないため対象外の場合もある。
ただし、今は対象外であっても時代の流れによって対象内に入ることもある。
子供がいない夫婦であっても、子供が出来れば対象内だし、
親戚や孫が生れれば対象内に入ってくる顧客も出てくる。
また、物理的に来れない顧客には、通販を持ってすれば対象内顧客になりえる。

対象外顧客は、大まかに振り分けて今は外してもかまわないが、
時機を見て見直していくのが懸命だと考える。

次に、来店してくれる可能性のある「未・来店客」だが、
この客層には色々なアプローチが考えられる。
私がやはり一番有効的だと考えるのがインターネットの活用である。
いや、もはやインターネットを外しての集客は、考えずらいとも思っている。
それだけ今やインターネットは十分なメディア媒体として育ってる。
インターネットをうまく活用すれば、集客はもちろん、その他の管理も便利になる。

前回お店のHP作りは必要だが、失敗しているお店が多いと述べた。
今でも私はお店のHPは最低でも必要だと思ってる。
しかしそれが失敗している理由は、リンク作りである。
お店が作ったHPにたどり着くのに人任せで、その環境を提供する会社もなかった。
単独の店舗、もしくは少数の店舗が形ばかり集まったとしても、
お客から見れば探しづらい、探すのも困難なHPだった。
まずは、そのお店のHPや紹介ページを探しやすい環境にしてやる必要がある。

次に、そのHPや紹介ページの中身だ。
HPは公開するものの、その中身は作ったまま放置され、見る顧客を飽きさせる。
始めて見る顧客には新鮮であっても、二度目に見る顧客には新鮮度は無い。
お店のHPのすべてのデザインを変える必要は無いが、せめてインフォメーション、
What Newくらいは更新し、新鮮度、ニュース度を高めていく必要がある。
また、クーポンのようなお客を惹き付けるようなサービス内容も必要だ。
そこまで考えていくと、お店のHPだけでは無理がある。
そのため、お店に導く方法論として、共通なフォーマットのお店紹介ページがあり、
そのお店紹介ページで説明しきれない詳細をお店のHPでリンクさせて見せてやるほうがいい。

たとえば、ホテル検索のサイトを考えて欲しい。
ホテル検索サイトは、日付、場所、金額等々を検索してたどり着く。
決して最初はホテル名ありきではない。
いくつかのホテルが抽出され、クリックすると選ばれたホテルの内容が紹介される。
その内容は、ホテルの写真、予算、マップ、クチコミ等々統一されたフォーマットだ。
これが全国一律どこからでもPC、携帯にて検索できるため集客できる。
また、そこから予約した場合、ポイントはネットのポイントに集約される。
そして、一度泊まったホテルは、履歴として残り、またいつでも予約しやすい。

ホテル検索のサイトは、これはある意味でCAM顧客集客マネージメントだと考えられる。
これによりホテルの集客方法は格段に変化し、流れが変わった。
これには訳がある。
もともとホテルは、遠方客が多く、遠方から来るお客はそのホテルを知らない。
そのためほとんどのお客が「未・来店客」に近い。
まだ一度もそこを訪れたことの無い顧客は、おのずと写真、予算、クチコミ、立地(地図)を重視する。
そして一度そこに泊まってお気に召せば、既存顧客となりCRM管理できる顧客へと変わる。

これをお店で考えてみた場合はどうであろうか?
現在、ホテル検索サイトのような大手サイトは無い。
たとえば、飲食店検索サイト、登録自体が高額有料であり、広告掲載しないお店は載らず、掲載された主に飲食店の検索しかできない。また履歴が残ったり、ポイントが貯まるものではない。
また、タウンページのようなお店の名前と住所、電話番号、地図が出てくるようなものもあるが、
単なる電話帳であって、お客様がそのページを見て行って見たいと思うようなものも無い。
元々のビジネスモデルが掲載料にて賄っている為、中立公平ではない。

お客様から見た場合、ホテル検索サイトはある程度機能が充実していて、
そのサイト内で検索し、評価を見て選び、予約し、ポイントが付き、記録が残る、
そこまで完結できているから使いやすいのであって、
店舗検索サイトは、一部の飲食を除きなかなかそこまでできていない。

すべての店が、有償で広告を載せてまでお店を掲載することは出来ない。
ぐるなびやタウンページ、ヤフーなどが店舗を載せること=広告掲載という考え方のままでは、
お客様が知りえたいすべてのお店の情報を載せることは容易ではない。
本来は消費者サイド本位の検索サイトを作るべきだ。
消費者サイド本位でありながら、お店が宣伝しやすい、検索しやすいサイトが望まれる。
宣伝したいお店は、有償で宣伝すればいいし、宣伝が必要のないお店は消費者のクチコミのわかる店舗紹介ページがあればいい。

お客様(消費者)本位の店舗検索サイトを作ろうと思った場合、
まずお店の登録件数は充実していかなければならない。
後でまた述べるが、今私どもが契約していただいている6500店舗のお店、
6500店舗といえばファミリーマートの数に近い数字なのだが、
これをgoogleマップに並べて全国表示した場合は凄く多く見えるのだが、
市区町村単位で表示してみたら、すごくまばらで見れたものではなかった。
あれでお店を検索して、消費者が使えるものとは思えなかった。

そのため、Web2.0の集合知の考え方に基づき、
店舗の登録は誰でも出来る自由にし、ポイントを与えて一般消費者に登録してもらった。
店舗の住所、電話番号、マップ、URLリンク、写真、営業時間などのメモ等々
店舗の基礎的な情報の登録が消費者でもお店の方でも無償で登録できる。

これにより現在短期間で35万件もの店舗が登録された。
しかしまだそれでも少ないと思っている。
そして、店舗登録、削除、修正自由としたことで、多少の不正も見られるが、
常に新しいデーターが更新され、閉店店舗は削除される。
基本的な店舗登録は有償とせず、自由に登録すべきなのだ。

しかし一歩踏み込んで、お店への有償サービスもあっていい。
たとえば、チラシやクーポン、予約、メール送信などである。
私はプッシュ型のメール送信は、迷惑だと思っているのでシステムは作る気がしない。
しかし、プル型のチラシやクーポンは、消費者が自由に使える物としてあっていい。
ただ、お店が低料金で気軽に使えるものでないと意味がない。

こういった、お店と消費者を簡単につなげるリンクサイトがあって初めて、
お店のHPの閲覧やCAM集客に結びついていくと考えてる。
ただ、インターネットを使えばいいのではない。
インターネットを使うにしても、ちゃんとした準備、道順が重要なのだ。

少し宣伝にはなってしまうが、
そういう構想を踏まえて、「JANKEN.JP家計簿」は生れた。
「JANKEN.JP家計簿」のCAM手法は現在3つある。

「ポイントリンク」、「家計簿リンク」、「チラシリンク」の3つだ、
いずれまた、このCAM手法を考えて増やして行こうと思う。

「ポイントリンク」は、世の中にポイントを集めている陸マイラーと呼ばれている人たちを、
お店に呼び込もうという手法だ。当社では2006年から始めている。
お店のポイントをオープン化し他社のポイントに変換できることにより集客を行う。

「家計簿リンク」は、POSで売り上げた商品を自動的にネット家計簿に記載し、
家計簿をつける手間を省き、かつ家計簿につけた商品数だけポイントを与える手法だ。
家計簿という常用のツールを用いて常連客を導く集客方法だ。

「チラシリンク」は、新聞折込のようにお客様に情報を届けることによって、
特価、サービス、クーポン等によてそのお店を告知し、集客する手法だ。

この三つの方法とも、お店の情報をすべてデータベース化することにより、
その消費者に必要な情報に絞込み特化し、表示してあげる。
消費者から見た場合は、自分にマッチングした情報から順番に表示され、
また必要に応じて深く検索できる状態にしてあげることが重要だ。

つづきは、
具体的に「ポイントリンク」、「家計簿リンク」、「チラシリンク」の内容について、
ふれていこうと考えてる。