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「BCPOS」誕生 10年POS⑩ 

パソコンPOS回想録⑩(1998年)

会社を文京区小石川に移して、身軽になってからは
精力的にWindowsPOSソフトウェアの開発に取り組んだ。

新しいWindowsPOSパッケージは、1998年3月に完成した。
私はビジコムの頭文字をとって、
新しいパッケージの商品名を「BCPOS」と名付けた。

「BCPOS」は、今までにない新発想のソフトであり、
私の今までの失敗経験を、最大限に生かせるように考えに考え抜いたパッケージであった。

POSとしては、通常の売上管理だけが出来れば十分通用するのだが
私自身のかなりのこだわりをもって設計した。

まず、10年持つパッケージでなくてはならない。

いままでPOS専用機が5年くらいのサイクルでハードが交換されていく中
そのハードを交換するたびに内部のソフトウェアが使い捨てにされていた。
システム会社はそれにより新しい開発で潤うが、お店はそのたびに莫大なソフトの改造費を払わなければならなかった。バブルの時はそれでもよかったであろう。

ソフトをそのたびに作り直す手間もさることながら、
問題は、そのたびに入れ替えの作業を行い、データの互換性も危うくなることだ。お店の顧客情報、商品情報はお店での財産にも等しい。

商売という継続性を保つためには、ハードの互換性を心配することなく
安心して使用できるものでなければならなかった。
そのためには、ベースになるものは専用機ではなく、パソコンであった。

パソコンはソフトの互換性を無視して、ハードの中身を変更することはありえない。
それに数多くのハードメーカーがパソコンを製造しているため、競争力も高まるであろう。
パソコンであれば、10年以上は互換性を保障してくれる。
それと、もしハードの故障があったとしても、パソコンであれば、本体の交換だけで済む。

このことは大きな決断でもあった。
もし、POS専用機に合わせた形でソフトを販売したなら、
POSメーカが営業の主力となり、私たちは開発にだけ力を注げばいいだろう。

しかし、パソコンを選んだならば、
WindowsPOSのパッケージなんて、一業種の一パッケージにしか過ぎない。
そのため、パソコンメーカに販売をお願いすることなんて、到底できることでなく、
私たちだけでマーケットを開拓して販売しいかなければならない。
(最近はPOSメーカもパソコンPOSの販売には力を注いでくれますが)

今でもそうだが、大手POSメーカの営業力は壮大で、私たちだけでは到底出来ないことが多い。
システムの入れ替えを検討してるお店の情報などは、ほとんど私たちでは掴むことができない。

一からの営業、これが私たちに課されたBCPOSを売る営業の使命だった。

しかし、パソコンを選んだことにより、10年、
いや10年以上の互換性を持ってお店では使用することが可能になった。

発売されてから、6年たった今、
案の定、1998年その当時、POSを導入したお店が、システムの検討時期に経ってる。
その当時に検討されて、他社を選ばれたお店が、
また新しい入れ替え検討として、当社のBCPOSを検討されてるということは
嬉しい限りでもある。



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