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会社設立回想録3 退社前(会社不信) 

20年目の独り言3  会社設立回想録3 退社前(会社不信)

HIHのシステム部の部長に「営業職向いてるよ」って言われてから
あれだけ嫌だと思っていた営業職も、考えが変わると天職だと思うようになっていった。

それからは営業が楽しくなってきたのだが
営業部署の課長からの指示は、とにかく飛び込んで開拓しろ、だった。
私が売る商品はリムーバブルハードディスク
まだパソコン自体が出始めたばかりの時期に
会社に飛び込んで売れるものだと思えない。

課長に何度も確認した。
「この商品、飛び込みで売れる商品だとは思えないんですが?」
課長曰く
「お前はまだ新入社員なんだから、売れなくてもいい、勉強と思って飛び込め」
私は納得がいかないものの、自分の勉強のためだと思ってそれに従った。

私はその日から、朝一番で会社を飛び出す営業で、
毎日20社飛び込んで、それをレポートで報告するのが日課になった。
一日20社飛込みして回るのは結構つらい。
しかし、ほとんどが門前払いなので一社当たりそれほど時間はかからず、
会社を探すほうが大変だった。

会社に出勤すると、朝一番で新宿高層ビルに登り、
上の階から一社ずつ回って断られると、
また階段で一階ずつ降りて、会社を回る。
新宿の高層ビルだと、一棟あたり約3日かけて回った。

パソコンの飛込みならまだしも、特殊なハードディスクの飛込みだ。
自分の勉強のためとはいえ、100社中100社断られる飛込みに、
何度も疑問を感じ、課長に何度も聞いた。
「飛込みでは絶対売れないですけど、本当これでいいんですか?」
課長、「私が責任持つから大丈夫だ」
真夏の炎天下も含めて三ヶ月間も続いた。

夏の終わりの頃、課長が突然言った。
「中馬くん、いつになったら売ってくるんだ?」
私の頭は真っ白になった。
「課長、売らなくてもいいから飛び込みしろって言いましたよね?」
「飛込みするのか、売るのか、どっちなんですか?」
課長はしばらく間が空いた後、「売って来い」
「解りました、売るための営業をすればいいですね。」

私は何度も、飛込みでは売れないと主張し
課長からは、何度も責任は私が取ると聞いてきた。
それがあっさり覆され、
売れないのは私のせいだということになっていた。
私はぶちきれた。

翌日から一ヶ月間、私は会社を出ずにずっと社内に閉じこもった。
毎朝、朝一で飛び出していた営業が社内にいた。
課長は聞いた。「なんで営業に出かけないんだ?」
私は「売ればいいんですよね?」
社内に居座って一ヶ月くらい経った頃になると課長は怒鳴った。
「とにかく営業に出て行け」
「嫌です、飛び込みの営業ではなく自分の営業をします。」
すでに課長を信頼していなかった私は、自分の信念を突き通した。

私は一ヶ月かけて、ハードディスクを使用しそうな企業をリストアップしていた。
画像処理、CAD、データベースを使う企業等
そして翌月からは、そのリストを元にアポイントを入れ始め
ピックアップした企業を次々と訪問した。
そして3ヶ月くらい経った頃、数台の注文を取れるようになっていた。
しかしながら、その頃になると私と課長の仲は最悪な状態だった。

課長は上司の命令を聞かない私をとんでもない奴だと思っていたし
私は課長以上の上司の評判も悪かった。
部長がある日言った。
「中馬君、もう少し課長とうまくやれないか?」
私も課長のことを公言した。
「バカな課長の下では働けません。。。」
部長は黙り込んでしまった。

私はとんでもない新入社員だった。

続く

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