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 2006年10月 

流通業とweb2.0 3.ロングテール 

web2.0でよく出てくる言葉が「ロングテール」
簡単に訳すと「長いしっぽ」

流通業にはABC分析と言う分析がある。
商品を売れ行きによってAクラス、Bクラス、Cクラスの3つのランクに分けて
一番売れ筋のAクラスの商品は、
商品数が少ないにもかかわらず大きな売上を上げる。
グラフにすると左端に高いメモリを示すことになる。
Bクラスの商品は、中くらいのメモリで横幅が少し長く
Cクラスの商品は、低いメモリでやたらと横に長い。

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AABBBBBCCCCCCCCCCCCC

このグラフを見ると恐竜に似ている(私が書くと似てない)
恐竜の頭がAクラス、胴体がBクラス、長いしっぽがCクラス、
それでこのCクラスのことをロングテールと呼んでいる。

今までコンビには、少ない面積でより多くの売上を上げるため
売れない商品を排除し、売れ筋の商品ばかりを並べていった。
これはAクラス、Bクラスの上位だけを並べて売上を上げていたのである。
私は1996年に「ABC分析の弊害」「コンビニエンスでない店作り」を提唱してましたが、今になってやっとその弊害がさまざま感じ取れます。

最近ロングテールと言うとアマゾンばかりが注目を浴びます。
アマゾンは赤字であっても巨大な設備投資をし、巨大な倉庫、物流を作り
Cクラスの書籍などをすぐに出荷できる体制作りをしてきました。

たとえば、ある売れてない作家がテレビに出て何か話題の発言をすると
それが話題に上りその作家の作品を求める人々が殺到する。
しかし、普通の書店や大型書店にもその作品はなく
唯一あるのがアマゾンで、その商品の発注はアマゾンに集中する。

昨日までCクラスの売れない商品が
今日は一躍Aクラスのヒット商品になるのである。
これによりアマゾンはCクラスの商品であっても束ねることで
Aクラスに匹敵するような売上を上げるようになっていった。
(実際はまだAクラスの売上を抜くことはないそうだが)

これはアマゾンが巨大な物流、倉庫を得て初めて達成し得たことで
それじゃあ、巨大な資本が無いと成り立たないではないかと言うことになる。

でも、なぜアマゾンが成功したかと考えると
情報をうまく集め、それを誰もが検索できるようにしたからにほかならない。
これはweb2.0の「集合知」と言える。

それならば、一般商店が一店舗で戦うのではなく
何百社も束ねて集合知になればいいのではないか?

昨日も言ったように
売れない商品を売れる場所に移動させ
売れないお店に、その店の商品を買いたいお客を呼び込むこと
これが今からのweb2.0によってもたらされるお店のキーワードなのである。

つづく
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