ソニーとグーグル
昨夜、久々に本を熟読した。
私自身は、本をそれほど読んでいないわけではないが、
結構入れ込んで本を熟読したのは珍しい。
本の名前は、
「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」
今ビジネス本にて書店ナンバーワンになっている本で、
私がそういう本を買って読むのは、クリス・アンダーソンのフリー以来だ。
ビジネス本では、常にショッキングなタイトルが目立ち興味をそそる。
しかし、いざ読んでみると内容の貧弱さに驚かされることがある。
「なんだ、そんなこと今更言われなくてもわかってるよ」、って
しかし、この本は私の常に興味を持ってるグーグルと
私が常に批判的だったソニーとの組み合わせである。
私にとっては、その中身に興味を抱かないわけが無い。
私がソニーを大嫌いなのは、うちの社内では誰もが知ることで、
私がグーグルが大好きなのも、うちの社内では誰もが知る。
好きと嫌いの狭間の中で、
作者、辻野晃一郎氏は22年間勤めてたソニーと、3年間勤めたグーグル日本法人の社長とどう描くのか?
興味はそこに集中した。
辻野氏はソニーを褒めちぎるのではなく、反面教師として描いていた。
ソニーに学んだことは大企業が60年間経ったことによる組織矛盾、
カンパニー制による主導権争い、子会社との主導権争い、
新しいことを持ち込もうとすると、ことごとく足を引っ張られる手厳しい仕打ち、
盛田、大賀、出井氏と様変わりした社長の中で、
盛田、大賀氏のカリスマ性のあった社長から、出井氏の守りに入った社長の経営手段、
社内でも嫌なことが次々と起こり、次々と出鼻をくじかれる、
なんだ、と思った。
私だけがソニーが嫌いなのではなく、ソニー内部でもすでに崩壊しかかってたんじゃないか。
内部で崩壊しているわけだから、ユーザーも嫌いになる。
大企業という、私の経験していない軋轢、人間関係はうちの社内でも起きえる。
ずっと変化しないで、成功事例のぬる湯に使ってれば、こうなってしまう。
私はたまたまオーナーなので、このような例だと強権で人事異動させてしまうだろう。
しかし、雇われオーナーの場合は難しい状況なのであろう。
ソニーというカリスマ企業が、いかにして普通の企業に成り下がったか
本を読んでいくうちに感じ取ることが出来た。
実は私がソニーを大嫌いになったのも1990年前半、
それまではウォークマンも買い、ハンディーカムも買って使ってた。
しかし、SCE(ソニーコンピュータエンターテイメント)が出来てから、
つまりプレイステーションが出てから大嫌いになった。
その当時、リサイクルショップのPOSシステムを販売してて、
多くのリサイクルのお店様との付き合いがあった。
ファミコンやスーパーファミコンの時代は自由に中古の売り買いが出来た。
しかし、ソニーが出てきてからはサプライチェーンマネージメントの考え方からであろうか?
供給側が販売のいちいち指図をするようになってきて、
中古を扱っている店にはプレイステーションの新品を下ろさないとか、定価で売らなきゃ駄目だとか
お店での売値にまで指図してくる始末。
同じようにバイオでも安売りをするお店には、商品出荷を止めるなど、
メーカーがここまで口を出すかといったような、あからさまな妨害が多かった。
このような経験が私をソニー嫌いにしてしまったのだが、
結局はブランドに胡坐をかいた放漫経営としか言いようが無かった。
だから、いずれソニーは駄目になると言い放ってた。
それが内部にいた人からの証言で確信を持てたのだから、
自分の考えてたことは間違いが無かったと思ってる。
かたや、グーグルは私が今も凄いと思っている企業である。
グーグルのまねなど到底出来ない。
しかし、グーグルのやることは今までほとんどが納得できる戦略だった。
その一部として、「グーグルが見つけた10の事実」が本には書かれてた。
10個の事実に対して、すべて共感できるものではないが、
その中でも、ああ、そのためにこんなことをやってくるんだというものがいくつかあった。
私が凄く共感できたものをいくつか上げる。
1.ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Forcas on the user and all else will follow.
これは、私のブログ「消費者の視点から」にも共通する。
すべてが消費者目線で、物事を考えることにより、お客様に選ばれる会社になりたい、という私の願いにピッたしだ。
2.ひとつのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
It's best to do one thing really well.
うちの会社では、流通システムだけを中心にがんばってる、いくら他が儲かるからといってもそれ以外をやるつもりが無い。
6.悪事を働かなくてもお金は稼げる。
You can make money without doing evil.
これはそのものずばり、マーケットは見つければまだまだあるんだと考えられる。悪いことをして儲けても長続きするはずがない。
7.外にはいつも情報がもっとある。
There's always more infomation out there.
私どもは常にお客様から学ぶものが多い。会社の社内だけだと得られない情報も、営業マンや外部に出たときに見つけるものが多く存在する。当たり前なことだけど当たり前なことをちゃんと主張することで、外部からの知識を十分に吸収できる素地を作り上げている。私どもの常にそれを心がけている。
10.素晴らしい、では足りない。
Greast jast isn't good enough/
現状に満足せず、常に先を追い続けること、それによって進歩と調和があるように思われる。今を満足せず、常に革新的でありたい、私にも共感を得られる言葉である。
ソニーとグーグルの比較により、かつてソニーが求めていた夢が、企業衰退によりグーグルに置き換えられていって、勤めていた辻野氏も日々進歩しているのだと思った。
これは単なる老齢企業と新興企業の格差の問題ではない。
私たちの会社にも当てはまる考えさせられる問題であった。
我々の会社が今後どのように発展するのか?、衰弱するのか?
ただ衰弱しないためには、常に新しいことにチャレンジし、守りに入らないことが重要だと常々感じ取った。
私自身は、本をそれほど読んでいないわけではないが、
結構入れ込んで本を熟読したのは珍しい。
本の名前は、
「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」
今ビジネス本にて書店ナンバーワンになっている本で、
私がそういう本を買って読むのは、クリス・アンダーソンのフリー以来だ。
ビジネス本では、常にショッキングなタイトルが目立ち興味をそそる。
しかし、いざ読んでみると内容の貧弱さに驚かされることがある。
「なんだ、そんなこと今更言われなくてもわかってるよ」、って
しかし、この本は私の常に興味を持ってるグーグルと
私が常に批判的だったソニーとの組み合わせである。
私にとっては、その中身に興味を抱かないわけが無い。
私がソニーを大嫌いなのは、うちの社内では誰もが知ることで、
私がグーグルが大好きなのも、うちの社内では誰もが知る。
好きと嫌いの狭間の中で、
作者、辻野晃一郎氏は22年間勤めてたソニーと、3年間勤めたグーグル日本法人の社長とどう描くのか?
興味はそこに集中した。
辻野氏はソニーを褒めちぎるのではなく、反面教師として描いていた。
ソニーに学んだことは大企業が60年間経ったことによる組織矛盾、
カンパニー制による主導権争い、子会社との主導権争い、
新しいことを持ち込もうとすると、ことごとく足を引っ張られる手厳しい仕打ち、
盛田、大賀、出井氏と様変わりした社長の中で、
盛田、大賀氏のカリスマ性のあった社長から、出井氏の守りに入った社長の経営手段、
社内でも嫌なことが次々と起こり、次々と出鼻をくじかれる、
なんだ、と思った。
私だけがソニーが嫌いなのではなく、ソニー内部でもすでに崩壊しかかってたんじゃないか。
内部で崩壊しているわけだから、ユーザーも嫌いになる。
大企業という、私の経験していない軋轢、人間関係はうちの社内でも起きえる。
ずっと変化しないで、成功事例のぬる湯に使ってれば、こうなってしまう。
私はたまたまオーナーなので、このような例だと強権で人事異動させてしまうだろう。
しかし、雇われオーナーの場合は難しい状況なのであろう。
ソニーというカリスマ企業が、いかにして普通の企業に成り下がったか
本を読んでいくうちに感じ取ることが出来た。
実は私がソニーを大嫌いになったのも1990年前半、
それまではウォークマンも買い、ハンディーカムも買って使ってた。
しかし、SCE(ソニーコンピュータエンターテイメント)が出来てから、
つまりプレイステーションが出てから大嫌いになった。
その当時、リサイクルショップのPOSシステムを販売してて、
多くのリサイクルのお店様との付き合いがあった。
ファミコンやスーパーファミコンの時代は自由に中古の売り買いが出来た。
しかし、ソニーが出てきてからはサプライチェーンマネージメントの考え方からであろうか?
供給側が販売のいちいち指図をするようになってきて、
中古を扱っている店にはプレイステーションの新品を下ろさないとか、定価で売らなきゃ駄目だとか
お店での売値にまで指図してくる始末。
同じようにバイオでも安売りをするお店には、商品出荷を止めるなど、
メーカーがここまで口を出すかといったような、あからさまな妨害が多かった。
このような経験が私をソニー嫌いにしてしまったのだが、
結局はブランドに胡坐をかいた放漫経営としか言いようが無かった。
だから、いずれソニーは駄目になると言い放ってた。
それが内部にいた人からの証言で確信を持てたのだから、
自分の考えてたことは間違いが無かったと思ってる。
かたや、グーグルは私が今も凄いと思っている企業である。
グーグルのまねなど到底出来ない。
しかし、グーグルのやることは今までほとんどが納得できる戦略だった。
その一部として、「グーグルが見つけた10の事実」が本には書かれてた。
10個の事実に対して、すべて共感できるものではないが、
その中でも、ああ、そのためにこんなことをやってくるんだというものがいくつかあった。
私が凄く共感できたものをいくつか上げる。
1.ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Forcas on the user and all else will follow.
これは、私のブログ「消費者の視点から」にも共通する。
すべてが消費者目線で、物事を考えることにより、お客様に選ばれる会社になりたい、という私の願いにピッたしだ。
2.ひとつのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
It's best to do one thing really well.
うちの会社では、流通システムだけを中心にがんばってる、いくら他が儲かるからといってもそれ以外をやるつもりが無い。
6.悪事を働かなくてもお金は稼げる。
You can make money without doing evil.
これはそのものずばり、マーケットは見つければまだまだあるんだと考えられる。悪いことをして儲けても長続きするはずがない。
7.外にはいつも情報がもっとある。
There's always more infomation out there.
私どもは常にお客様から学ぶものが多い。会社の社内だけだと得られない情報も、営業マンや外部に出たときに見つけるものが多く存在する。当たり前なことだけど当たり前なことをちゃんと主張することで、外部からの知識を十分に吸収できる素地を作り上げている。私どもの常にそれを心がけている。
10.素晴らしい、では足りない。
Greast jast isn't good enough/
現状に満足せず、常に先を追い続けること、それによって進歩と調和があるように思われる。今を満足せず、常に革新的でありたい、私にも共感を得られる言葉である。
ソニーとグーグルの比較により、かつてソニーが求めていた夢が、企業衰退によりグーグルに置き換えられていって、勤めていた辻野氏も日々進歩しているのだと思った。
これは単なる老齢企業と新興企業の格差の問題ではない。
私たちの会社にも当てはまる考えさせられる問題であった。
我々の会社が今後どのように発展するのか?、衰弱するのか?
ただ衰弱しないためには、常に新しいことにチャレンジし、守りに入らないことが重要だと常々感じ取った。
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- [2010/12/27 20:55]
- 経済政策・政治 |
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