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みせめぐiphoneアプリデビュー 2話 

みせめぐiphoneアプリデビュー 2話

さて、2/28にリリースしたみせめぐiphoneアプリだが、
表面上、たんなるお店の検索サイトだが
ここに至るまで随分時間がかかった。


みせめぐで紹介されている54万店ものお店は、
すべて一般の消費者が登録したものだ。
データをどこからか引っ張ってきたものでもなく、
2005年から一般の消費者がコツコツ登録してきたものだ。
当社はこの登録に対して、長年ポイントを支給し続けてきた。


2007年あたりからロングテールという言葉が出てきたとき、
私はすぐにうちのビジネスがロングテールだと確信した。
前回も書いたとおり、うちのビジネスはお店のPOSシステムが出発点だ。
しかし、大型店に導入しているのではなく、1店舗からの小さなお店が主力だ。
その一店舗一店舗から月々¥5000ずつもらって当社は成り立っている。
一軒から頂く費用は少ない費用であっても、たくさんのお店に導入すればたくさん大金になる。


大手のPOSメーカーは、100万円近いハード機器を売って利益を上げるが、
当社はパソコンとそのPOS周辺機器、そして月々5000円の費用をもらって会社を運営する。
高い機器(恐竜の頭)を少量売って儲けるより
安い機器(小さなしっぽ)をたくさん集めて利益を得ている。
そのためには、幅広い専門店に売り歩かなくてはいけない。
多くのお店を把握することは当社には必然性があった。


昔はPOSシステムを売っている関係上、
バーコードを当てて引き当てる商品データは常に登録が必要だった。
たとえば、何度も同じ業種のお店(たとえば薬局)にPOSを導入する際も、
毎回、商品データを入力しシステムにデータを入れ込んだ。


ならば、世の中にあるすべての商品データベースを持っていれば、
POSを導入するときにバーコードを当ててデータを作れる仕組みが欲しい。
これがバーコード(JANコード)を検索して、そのお店のデータを作れる仕組み、
JANを検索=janken.jpサイトの出発点だった。


janken.jpは当初、商品のバーコードを登録してポイントを与えるだけのサイトだった。
しかし、それだけではあまり面白くないので、消費者が買物を登録できるようにした。
これが家計簿へ変化した始まりだった。
しかし、ただ単に家計簿を登録するのではなく、どこのお店で買ったかを登録する。
これが、店舗登録の始まりだった。


すべてが、当社に必然性があって、商品登録があり、店舗登録があり、
家計簿登録が出来上がった。


2008年、世の中がPCから携帯の時代に移り始めていた。
若い子達は、PCはいじったことが無くとも携帯は常に身につけていた。
すでにPCだけの時代ではないことに気付いた私が、
家計簿を携帯でもやらせる必要があると感じてたとき、
ふと家計簿サイトを見ると、すでに30万件ものお店が登録されていた。


POSシステムの販売を手がける当社は、
お店が今のシステムだけで満足していないのは感じ取っていた。
POSは単なる売上げ集計機であって、お客を連れてきてくれる機械ではない。
POSよりもプロモーション、お店の期待度はそちらに移行してた。


お店とお客をダイレクトに結びつけるものは、
すでにPCサイトから携帯に移行しつつあった。
ならば、この34万件もの店舗データを使ってお店の携帯サイトを勝手に作ってしまおう。
それを見たお客様が、お店に来れば十分なプロモーションになりある。
そうすれば、お店も喜んでくれるし、そのデータをPOSに結びつければ機能の拡張になる。


最初は、単にお店の携帯サイトを作っただけだった。
しかし、その携帯サイトをどのようにお客様に常に見てもらうかが課題だった。
当初は、お店の商品(メニュー)の紹介やクーポンやチラシを載せればいいと思った。
しかし、消費者は受動的で、積極的な宣伝をしないと見てくれない。
そのため、途中からQRコードを用いて空メールを送り、メール収集して、
お店のイベントと共にメールを配信する方式に代わっていった。


実はこのメールの配信は私は当初、否定的だった。
それはメール配信がプッシュ型で、迷惑メールの温床になりやすいと感じてたからだ。
お客様に迷惑をかけないのは、プル型だと感じてた、
お客様にメリットがある情報をちゃんと載せれば必ずお客様は見に来てくれると。
そのためチラシやクーポンを携帯HPに載せて、お客が見に来てくれるのをひたすら待った。
これは大失敗であった。
一日の携帯HPの閲覧数は数十件、下手をすると一桁で効果はぜんぜん見られなかった。


そのためプッシュ型のメール配信を数十店舗で試してみた。
すると当初はメール配信=迷惑メール、になると思われてたが、
メールの配信回数(月4回以内)、メールの内容によって十分にお客様に喜ばれることがわかってきた。


当初は、メール会員=飲食店、美容院、等々の業種でしか効果が無いと思われていたが、
商店街の中の小さな食料品販売店で、メール配信すると25%~30%もの戻り効果があることもわかってきた。


つまり、必要な人々に必要な情報を与えれば、お客様は喜ばれる。
それから当社ではメールの収集、配信のシステムに力を入れるようになった。


しかし私自身は、まだプル型の構想を捨て切れてはいない。
プッシュ型はメールが届くのだから嫌ようにでも見るが、
プル型はお客様本人がアクセスして見に来るものだ。
そこには毎日見るための仕組みがいる。
そして絶対数の会員がいないことには見に来る人も少なくなる。


iphoneアプリはそういった意味では絶対数を確保するためには欠かせないツールである。


毎日見に来る仕組みは、一つは家計簿だと考えている。
みせめぐが、単にお店を検索するだけのシステムなら毎日見る必要は無い。
しかし、そのお店のチラシやクーポン、家計簿と連動しているなら、
新聞の折込チラシを見るごとく、iphoneも毎日眺めることだろう。
そして有益な情報があれば、その店に行って買物やサービスを受けるだろう。


みせめぐのビジネスモデルは、消費者からお金を取ることではない。
クーポンやメール会員を集めるお店に月額¥1000を出してもらい運営する仕組みだ。
月額¥1000にしたのは、お店に負担の無い価格、多くのお店に加盟してもらいたいための価格だ。


チラシにしてもクーポンにしてもその地域でお店の数が限られているなら、
消費者にとって魅力を感じえられない。
iphone一つを見て、その中に自分のお気に入りのお店が登録されていて、
その中にお得な情報が日々更新される。


絶対数のみせめぐを見る消費者がいて、絶対数の検索されるお店があって
絶対数のみせめぐ会員がいて、絶対数のクーポンやチラシを出すお店があって、
絶対数の商品登録があって、絶対数の商品メーカからの情報や割引クーポンがあれば
小さなお店であっても、小さなメーカーであっても、
大きな売上げと集客と販売が見込めるであろうと確信している。


ビジコムのPOSシステムもASP、SaaSもそうであったが、
最初から利益を求めるのではなく、相対的に利益を享受する仕組みづくりであるならば、
お店様にも消費者にも負担をかけずにいい関係が成り立つものと考えられる。
そのためには、多くの人に知ってもらい利用してもらうことが重要になる。


ビジコムがポータルサイトのようにもっと大きなインフラを持つことが出来たなら、
もっとスピーディに成り立つことだろうが。
誰かいい、ビジネスパートナーはいないだろうか?
それがだめなら、そこは、自分たちで出来る限りコツコツやらざる終えない。

来週からビックサイトでリテイルテックが始まる。
http://www.busicom.co.jp/news/seminar_detail/retail_2011.html

みせめぐも重要だが、本業のPOSシステムもがんばりたい。


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