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1996~7年⑧ 

パソコンPOS回想録⑧(1996~7年)

新しい事務所に移って半年ばかり
この年は何かにつけて、変動の多い年であった。

新しいWindowsPOSシステムの開発は、連日連夜開発され続けてた。
開発会議も頻繁に行われ、怒涛のごとく日々が過ぎていった。

それと1996年から、私はある雑誌社に頼まれて、「ストアシステムはPC-POSで構築せよ」というお店のシステムにまつわる連載記事を任されていた。
雑誌自体は季刊誌(3ヶ月に一度)のため、原稿の締め切りには余裕があるのだが、記事のスペースが大きかったため、原稿用紙で約60~70ページのかなりの原稿を仕上げなければならなかった。

しかしこのことは、ある意味では自分の頭の整理につながった。それまで自分が考えていたことを、文章にまとめ、「システムでできること」、「やりたいこと」、「できないこと」、「やってはいけないこと」をまとめ、平行してWindowsPOSの開発に生かしていくことが出来た。

私の連載は全部で4回(1年)であったが、その連載が終わると同時にその雑誌は廃刊した。それは、その雑誌の記事の中に、ある大手スーパーのコンピュータの画面が無断で写真で掲載され出版された。そのため、そのスーパーから多大なクレームが発生し、出版社としても雑誌の廃刊を持って対処せざる終えない事態であった。廃刊は私には連絡がなく、次回の発行のスケジュールがないまま終わった。

1996/01 「ストアシステムはパソコンPOSで構築せよ!!(1) 」
1996/04 「ストアシステムはパソコンPOSで構築せよ!!(2) 」
1996/07 「ストアシステムはパソコンPOSで構築せよ!!(3) 」
1996/10 「ストアシステムはパソコンPOSで構築せよ!!(4) 」

1997年4月、消費税が3%から5%に上げられた。

それまでは実に順調に会社の売上は伸びていた。そして3月までは駆け込みの需要で、システム販売が今までにない順調な売上を達成した。

しかし、この売上は風前の灯火であった。
4月を過ぎるとお店の売上は激減した。消費者は消費税が上がる前に買い溜めし、どこの店も前年同月比20%ダウンに見舞われた。それにPOSシステムが必要なお店は、消費税が上がる前に購入し、需要が一巡した状態であった。

POSは設備投資である。売上の回復が見えない状態では、どのお店も設備投資を延期した。そのため計画されていたお店の導入が、次々と延期になっていった。

つい先月まで好調な売上が続いていた状態なのに、今月に入るとさっぱりシステムは売れなくなっていた。

毎年売上が伸びると見込んで、運用計画を立ててた私は愕然とした。前年比120%伸びると思ってたのが、前年比80%の売上しか達成できなかった。毎年毎年売上を伸ばしていたのに、売上の減少は初めての出来事であった。
会社は昨年規模を拡大したばかりである。そして開発は、DOSとWindowsの二重開発を強いられ苦戦している。

初めて自分が立ててた計画の甘さに気づき、私は大きな軌道修正をかけなければならなかった。

今まで自分たちが売ってきたやり方は正しかったのか?
売上の低迷に耐えられる会社になっているのか?
今までは、システムが売れれば大きな利益が発生するため、「システムが売れる」という前提に会社を運営してきた。そのために「売れなくなったら」という前提条件を、なんら考えられていなかったのである。

私は消費税が値上がりした翌月の5月から、社内改革を断行した。
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